企業がビジネスで求められるパフォーマンス向上体制の矛盾について

はてなブックマークで、数多くブックマークされていた非常に興味深い内容の講演についての記事。


やる気に関する驚きの科学」という、タイトル的には少し胡散臭い気もする講演内容についてだった。しかし、講演内容の日本訳を読むと、なるほどと納得させられるような感覚を得た。


講演は古くからの「ロウソクの問題」を引き合いに、ビジネスシーンにおいての企業の体制の矛盾を科学的根拠を元に、Daniel Pinkが立証するというもの。


不透明で明確な解答が見えにくい課題に対して、インセンティブを与えられた者のパフォーマンスは、予想と反してパフォーマンスが低下し、解答までの道のりは遠くなる。これは、報酬によって視野を狭め思考は鈍く、クリエイティビティが阻害されたため。


このインセンティブが有効なのは解答が明確にあってその目的に対してのアクティブを促進するときに有効。しかし、IT時代の今、プログラムによる自動化で求められるのはよりクリエイティビティの高いパフォーマンスのため、個人の内的な面からくる、自主性、成長、目的といったクリエイティビティあふれるパフォーマンスが勝る。


説得力があるのは、「立証」という形をとった、実際に取り組んでいる企業の例や、証拠を示しているから。


Googleの20%の時間」や「MicrosoftのEncarta百科事典がWikipediaに負けた」事実が証拠となった。

科学が解明したこととビジネスで行われていることの間には食い違いがあります。科学が解明したのは、(1) 20世紀的な報酬、ビジネスで当然のものだとみんなが思っている動機付けは、機能はするが驚くほど狭い範囲の状況にしか合いません。 (2) If Then式の報酬は、時にクリエイティビティを損なってしまいます。 (3) 高いパフォーマンスの秘訣は報酬と罰ではなく、見えない内的な意欲にあります。自分自身のためにやるという意欲、それが重要なことだからやるという意欲。

http://www.aoky.net/articles/daniel_pink/dan_pink_on_motivation.htm