あめゆじゅとてちてけんじゃ

宮澤賢治の詩「永訣の朝」の中のこの「あめゆじゅとてちてけんじゃ」。


これは「雨と雪をとってきてちょうだい」という岩手の方言。
詳しくはこちらに書かれていたので参考までに。
みぞれが降る外の「あめ」と「ゆき」をとってきてと、死にゆく妹・とし子が兄・宮澤賢治に頼む。それは妹が兄を気遣い、自分が死にゆくことで苦しまないように、さっぱりとした雨雪をという思いが込められている。


映画「その日のまえに」を観た。素晴らしい作品だった。劇中はこの宮澤賢治の詩がテーマとなっている。同じく宮澤賢治の詩から由来するバンド「クラムボン」が作曲している。

http://www.sonohi.jp/


死にゆく妻・とし子(永作博美)と夫(南原清隆)と家族が様々な形で人と出会い、生と死を感じるストーリー。劇中の「永訣の朝」の曲は、チェロで演奏され、映像とマッチしていた。エンドロールのクラムボンが歌う曲も違うバックサウンドで奏でていてとても感動的だった。


よくあるストーリーだとは思うし、台詞もクサいが、ファンタジーの世界観と時間軸の入れ替わりで、飽きさせないとても惹きこまれる感動的な作品だった。


あめゆじゅとてちてけんじゃ


文学には疎いし、有名なこの詩も知らなかったが、心に焼きついた。
ひとつの詩を詞として音楽で伝え、映像で伝える。音楽と映像が1つの線で繋がった瞬間が味わえた。


クラムボンの「永訣の朝」の試聴ができるとこ
試聴